前回、鬼滅の刃は気持ち悪くて嫌いだが、進撃の巨人は好きだという話をした。

ピアノ教室界隈では、鬼滅の刃の「愚蓮華」はあれほど生徒達が弾きたがったのに、進撃の巨人のOPテーマ「紅蓮の弓矢」はそんなにピアノ教室の発表会を席巻した印象がない。

奇しくも「ぐれん」繋がりだというのに。

私が知らないだけかな?
いや、当時はアナ雪に埋もれていたのか?

私としてはやはり進撃の巨人の「紅蓮の弓矢」のほうが好きだ。
やっぱり物語が好きだからね。

でも、もしピアノ教室の生徒さん達がこの曲を弾きたがっていたら、レッスンする先生のほうは大変だったかもしれない。

メロディーが裏拍だらけだから。

ピアノ教室のちびっ子たちが弾くにはちょっと大変かもしれないが、この曲に裏拍を多用しているのは「よくできているな」と私は思う(エラそうだな)。

たぶん物語の内容を知っているとしっくりくる。

進撃の巨人は、「立体機動装置」というヤツを装着して両手に剣を持った人間の兵士たちが、人類を襲ってくる未知の巨人をバッタバッタと倒したり倒されたりする話だ(最初のほうは特にね)。

そう、見どころである巨人との対決は空中戦なのである。

テレビアニメのオープニングでも「紅蓮の弓矢」の曲とともに、兵士たちが飛び回って巨人をやっつける様が繰り広げられるのだ。

で、メロディーの裏拍である。

なかなか強拍を踏まない不安定な感じが、この立体機動装置による空中戦をとてもよく表現しているように思う。

また、スタッカートを使ったシンコペーションも、兵士が空中で体勢を切り替えして、一気に巨人に切り込む様が良く表現されていると思う。

特に

「 ッイェーガー!!! 」

ガー!!!の3拍目強拍の使い方である。
やってくれたぜ、エレン。

そんな風に、進撃の巨人のOPテーマ「紅蓮の弓矢」では、裏拍をうまく多用することで空中の不安定な感じがよく表現されているように思うのだ。

同様の手法は、いきものがかりの SAKURA でも顕著に使われている(と私は思っている)。

さくらひらひら舞い降りて落ちて

ひらひらからずっと強拍を踏まない。

本当に桜の花びらがひらひら舞い落ちる様子が目に浮かぶ。

レミオロメンの粉雪のサビもそうだろう。

こなーーゆきーーねぇ

やはり強拍を踏まないが、桜のひらひらよりは、それこそ粉雪が静かに落ちていくかのようだ。

こんな風に、裏拍には空中の不安定な感じ、浮いた感じを表現する効果があるように思う。

今回は進撃の巨人のOPテーマ「紅蓮の弓矢」について語ってみた。

ファイナルシーズンアニメの更新が待ち遠しい今日この頃である。