前回は、京王線代田橋駅付近に見つけた大衆そば屋さんに入るところまで話した。

今回はいよいよ店内の模様をレポートしよう。

味のある引き戸をガラッと開けて店内に入り、まずは注文のシステムを確認しようと店内を見回す。

当然のように券売機は見当たらない。
そう、この佇まいで券売機などあろうはずがない。

若い人だったら困惑するかもしれないが、私のホームページに訪れるピアノ教室の先生は、私と同年代かそれ以上の方が多いから、この辺の感覚は「良い味」として処理できる方が少なくないものと想像する。

そう、私がホームページを作成してピアノ生徒を増やすお手伝いをする先生は私より年上の方が多いので、この辺の味は理解していただけるものと期待したい。

で、券売機が無い代わりに、入ってすぐ右手に調理場兼レジ的な台(カウンター?)があり、その向こうのお母さんから「何にします?」と聞かれた。

ちょっと奥にご主人もおり、夫婦で長年やっていることが伺える。

なるほど、そういうシステムなのね。

私はぐつぐつと煮える、そばを茹でるやつ越しに、お母さんに

「天ぷらそばで、卵も乗せてください」
と言った。

「天ぷらそばで、卵も乗せてください」
と言った。

「天ぷらそばで、卵も乗せてください」
と言った。

私のお気に入りの、最強のやつである。

お代はその場でカウンター越しに払うシステムだ。
現金オンリーなのは言うまでもない。

この佇まいでペイペイなど使えたら逆にがっかりだ(?)

さて、注文して代金を払ったら、できるまで待つ。
出来上がったら呼んでもらえるシステムらしい。

奥に行って、お品書きを眺めながら出来上がるのを待つ。

天ぷらそば/うどん 400円
肉そば/うどん 400円
山菜そば/うどん 400円

安っすいなー。

駅の立ち食いそばでも450円はするのに。

このお店は立ち食いではない。
小さな店内だが、ちゃんとイスとテーブルがある。

そうこうするうち、私の注文が呼ばれた。
できあがったらしい。

先ほどのカウンターへいく。

どれどれ。

うどんやん!!!!

関東人のくせに「やん」と言うのを許してほしい。

でも、そんな勢いだったのだ。
そこは分かってほしい。

私は確かにそばと言った。

今日は最初からそばを食べる気でこの店に来たのだ。
いや、そもそも私は普段からうどんよりそば派だ。

その私が「天ぷらうどん」などと言おうはずがない。
「天ぷらうどん」は今までの人生で一度も注文したことがない。

だがしかし、そこに「天ぷらうどん」があるという現実を突きつけられた。

券売機のシステムでない以上、「言った言わない」になるのは必至である。

くぅ、仕方ない、、、

私は戸惑いつつも、うどんを受け入れた。

席について食べてみる。

おっ?

うまいじゃん。

え、天ぷら、これ作り置きじゃないでしょ。
めっちゃサクサクじゃん。

てか汁うまっ。
出汁とか全然分かんないけど、なんかうまい。

そう。
美味かったのだ。

私はべつにグルメでも何でもないが、美味いと思った。
他の人がどう感じるのか知らんけど。

しかもこれで400円(税込)だと??

おいおい。

おいおいおいおい。

良いじゃないか。

何だ、この9年間気付かなかったという損感は。

このお店があるなら、もうしばらくこの地に住んでいてもいいかなと思った。

地方移住が1歩色あせてしまったのである。

食べ終わったら、例のカウンター横の棚にお盆とどんぶりを片付けるシステムだ。

私は帰り際に

「ご馳走さまでした!うどんも美味かったです!」

と伝えた。

言わずにいられなかった。

やっぱり、良い気持ちをちゃんと伝えるって大事だと思う。

相手もきっと嬉しいだろうし、自分にも清々しさがある。

お母さんは

「ごめんね!ありがとう!」

って返してくれた。

人の手、人の味って、いいね。

そんな事を感じた。

巷はコロナで、やれオンラインだのリモートだのと言うけど、やっぱりこの、血の通った感じ、いいよね。

このそば屋さん、たぶんこれから週3~4で通うことになるだろう。

今まで通ってきた吉野家の納豆定食と、完全に二股をかけることになる。

すまぬ、吉野家よ。